時折お問い合わせいただく粘土について…。
理想は地元採取の粘土
せっかく火焔土器が出土した土地に住んでいるのだから地元の山で採取したいところです。
縄文時代は、たぶんそう遠くないところで採取していたのでしょうし。
理想を言えば縄文時代と同じ、本当の新潟県産の火焔土器!!を作りたい。
ですがそう簡単ではなく
土器造り同好会でも以前地元の粘土を採取して試したことがあったそうなのですが、
なかなか良い具合の粘土をつくることができずその時は断念したそうです。
市販品の粘土はありがたい♪
そんなわけで、現在は奈良県の陶芸粘土などを販売している業者さんから同好会でまとめて購入していて、
私は初心者の時からこちらの粘土で制作をしています。
想像しただけで土器造りを断念してしまいそうです。
使用している粘土
運送費がかなりかかりますが、この重量なら致し方ないですね…。
耐用温度:1280℃
焼成収縮:12.5%
乾燥収縮:7.5%
目的分類:荒土
焼き色:濃い
可塑性:良
特徴:黄土主体 不純物が少なく歪みもでにくい
これを使って、野焼きの温度(800度から900度)で焼き上げています。
耐用温度はもっと高いので、釉薬をかけて高温で焼くこともできそうですね。(やったことはありません)
砂を混ぜる
土器の形成前に、粘土に珪砂や川砂など、砂を混ぜます。
購入した粘土にも砂は入っているようですが、これにさらに混ぜていきます。
砂はホームセンターで売っているものを使用します。
(わたくしは土器造り同好会の先輩から分けていただきました。
もうすぐなくなってしまうので新たに入手せねばですが、販売単位が大量なので保管場所に頭が痛いです…。)
この砂をふるいにかけ
大きな粒は除いて
細かい砂を使います。
砂は粘土の30%まで。
それ以上だと砂が多すぎて逆に割れやすかったり、制作中細かい部分で引っかかり、制作しにくくなってしまいます。
私は大体20%ぐらい混ぜているかなあ。。。
量ったりせずに大体でザクザク混ぜています。
砂を混ぜる理由
- 重量を軽くして扱いやすくするため(粘土だけだと密度が高くて重い)
- 割れにくくするため(収縮率が下がるため)
照明のもとで展示されている縄文のビーナスは表面がキラキラ…
お日様や火にあててもキラキラするのか是非見て見たいものです。。。。
これはきっと、きらきら効果を狙って混ぜられたのではないかなあと思います。
火焔土器も雲母を混ぜて作ってみたいな…
混ぜ方
砂を混ぜるときは粘土を適当に小分けしてそこに砂を加え、それぞれをよく混ぜ
ある程度混ざったらその塊を2-3個に分けて
他の塊を組み合わせてまたそれぞれを捏ねて混ぜて
を数回繰り返します。
そうすることで、砂の割合や硬さが均一な粘土が練り上がるというわけ♪
最後は持ち運びや作業がしやすいように適当な大きさに(大体1・5キロくらいかな)
ビニール袋で密閉し乾燥しないように保管します。
実際に土器造りを始めたら二袋ぐらいを持ち運んでいます。
よく捏ねる
ひとつ前の砂を混ぜる工程と同時進行の場合が多いですが、砂を混ぜた後も、時間が経過して固くなったりした場合は作業前にもう一度捏ねて制作しやすい硬さにします。
…菊練り…
土器造りを始めたころ練習しました。
自宅でも粘土広げて食卓でやったら、みしみしぎしぎしと音が…(重いよ粘土!!)
ダメージが心配でそれ以来ダイニングではやめています。
今でも上手に練ることができません。難しいです。
それでも、
「空気を入れないようにする」
「水分を調整し柔らかさを均一にする」
などの基本は抑えるようにしています。
やっと土器造り開始です
粘土の準備ができてやっと土器形成に入ることができます。
15キロの粘土に砂を混ぜて捏ねるというのはなかなかの大仕事。
時間と場所と体力に余裕がないと始めるまでたどり着けません。
土器制作ってほんとうに力仕事。
本業で手を酷使して腱鞘炎になっていたり、四十肩五十肩の時は粘土触るのもきついです。
健康第一。
体が資本ですね。何事も。。。
以上、土器造りの粘土について…でした。
(粘土を捏ねるところの写真や動画撮影は今までしたことがなかったので、次の機会に撮影して掲載します)
皆様のどきどき造りのお役に立てば幸いです♪
それではまた~♪
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